おにっこハウスに実習に見えた学生さんの感想より・・・・・・・

●Gさん
最初に説明を受けたとき、「ここは皆で一緒に働くんだ」と言われたが、よく分からないでいた。自分の中のデイケアのイメージとは、職員がいて、障害者の人に色々と教えながら、働くというよりは、何かをこなしているというような、そんなものだった。おにっこハウスは全く違い、まず職員とハンディを持つ人に垣根がない。「一緒に働く」本当にその言葉の通りにハンディのある人もない人も共に働いている。おにっこを「職場」といい、作業を「仕事」としてテキパキと仕事をこなしていた。おにっこで学んだことは、ハンディを持つ人と持たない人を比べる必要は全くないということである。ハンディを持つ人として相手を見るのではなく、職員の1人として相手を見ることが大事だと思った。ノーマライゼーションとは何かなんて教科書を見ていくらでも知ることが出来るが、それに向かう為に何をするかは、おにっこでしか学べないと感じた。

●Fさん
今日一日、なかまの方々と一緒に過ごさせて頂いて、一番に感じたのは、仕事に対するプライドでした。他の作業所や支援施設などの様子を知らないので比較できないのですが、皆さん自分の仕事に対して誇りを持ってされているということでした。おにっこハウスでの仕事は作業や居場所というものではなく、職場で賃金をもらう、稼ぐということを意識されていることを会話の端々に感じました。それはやはりおにっこハウスのハンディのある人、ない人の区別なく働く場所として運営されているからだと思いました。おこがましいのですが、ハンディのある方に対してつい「支援したい」と考えてしまいます。しかし、その考えそのものが(悪いことではないですが)区別しているのかもしれないということに気付きました。正直ここでは、ハンディのある方、ない方が分かりませんでした。今日初めて仕事を教えて頂く私にとって、皆さんが先輩で、先輩方の仕事のさばきに関心するばかりでした。鶏舎に行き、慣れた手つきでニワトリを移動させ、どんどんバケツに入れていく。私はおっかなびっくり、恐る恐る卵を手にとり、そーっと力加減が分からないので入れていく。でも先輩はそれに対して優しく見守ってくださり、私に卵をとるチャンスを与えてくれました。このような優しい先輩のいる職場は今まで経験していません。そんなことからもここで働く意味について考えさせられました。
仲間の皆さんの温かい心に触れることができ、一緒に仕事ができて有難かったです。今日の目標の施設の役割、機能としては、仲間にとって職場であり、プライドをもって臨んでいることが理解できました。明日も張り切って仕事に臨みたいと思います。

●Eさん
障害者のデイケア施設というと、住宅街から離れた所にひっそり立って、閉鎖されているようなイメージがあるが、おにっこハウスは道路に面した所に堂々と立っていて、デイケア施設という名称を表に出していないので、おにっこまつりに参加するまでは、本当にただの喫茶店だと思っていた。
今日、実際に仲間との作業に参加してみて、鶏のえさ用に近所の人から許可をもらい、畑に落ちた野菜の葉を拾いに行ったりしたことや、3年間おにっこまつりに参加してきて、近所の人が集まって、おにっこの区画を、お金を払って借りてフリーマーケットをしたり、ステージを借りてダンスなどの発表を行い、自分達の活動を宣伝したりして、このイベントがなぜ毎年盛り上がるのか理由を考えてみると、きっと地域住民の人々の正しい理解があり、また、その理解を得るために、おにっこハウスの運営を通して、地域に活動とその目的を伝え続けてきた結果なのだと思った。


●Dさん
施設で働く仲間とのかかわりで、「障害を持った人」という枠組みで特別視する必要はないし、するものではない。反省会で職員さんがおっしゃっていたように、ハンディがあっても自尊心や人の心を察知する力も持っている。「健常者」や「障害者」という言葉自体、人と人との隔たりを強める気がして何だか嫌な気持ちになる。「障害は個性」というような言葉を聞いたことがある。性格も能力も同じ人は誰一人としていない。同じ人間としてそれぞれが尊重しあえたらいいと自分は思う。

●Cさん
確かに職員が仲間さんたちに指導したり、状態を見る部分もあるけれど、一緒に働いている同僚として、楽しさも苦労も共にしながら働くおにっこハウスは素晴らしい職場だと感じた。誰にでもハンディはあるし、得意なことも不得意なことも異なるのだから、人に枠や区切りをつけたりせず、一人の人間として接していくことの大切さを実感した。これは、おにっこハウスだけでなく、どの職場、学校、施設などでもいえることだと思う。
私はこんなに近くにいたのに、おにっこハウスのことを今までほとんど知らなかったんだなあと思った。おにっこハウスに実習に来てない人や、周りの人に今回学んだことを伝えたい。また今後、おにっこハウスをたくさん利用していきたいと思う。

●Bさん
3日間、おにっこハウスの実習は大変だったけど楽しかったです。午前は肉体労働で、午後は集中力が必要な作業で、3日間で自分が磨かれた感じがします。
本当に初めは、どう接していいのかわかりませんでした。年齢と見た目と話し方もバラバラで・・・・。 でも、“普通”に接していくのが一番だなあって思いました。変に気を使いすぎても仲間はそれを感じ取っているなあと思うところがありました。
理念にかかげているように、ハンディのある人もない人も対等に一緒に働いて、あたたかい職場だなあって思いました。

●Aさん
初めの内は、仲間の方たちと“どう接しよう”“どう話そう”と考えていたけれど、「おはようございます」と元気に挨拶をされた時、正直「普通だ」と思った。同時に私の心の中にあった偏見に気付いた。ラジオ体操を一緒に行っている時も、みんな和やかで楽しそうで、何より「一人一人が生き生きしている」と感じた。
一日を通して畑に行って野菜を収穫したり、卵を集めて拭いたり清掃したりと、行動を共にして一番感じたことは「純粋だな」でした。自分の仕事に集中して取り組む姿を見て、責任感を持って行っているのだと思った。そして、自分の仕事に自信を持って行っている。私は仲間の姿を見て感動した。また、おにっこにいる仲間、みなさんがすごく優しくて心の温かさを感じました。
一緒に養鶏場に行った時も、一つ一つの仕事を快く教えてくれ、質問にも詳しく答えて下さって、すごく気持ちが良かったです。昼食の時も、「卵おいしいんだよ。食べてみなよ、よかったら」と自分の卵焼きの一切れをそっと差し出してくれて、初めて会ったのに仲間のように接してくれて本当に嬉しかった。
今日一日で、私の中にあった偏見は一気に消えてしまった気がする。おにっこハウス(デイケア施設)は、まさにハンディの有無に関係なくみんな一人一人が生き生きと笑顔で働き助け合って運営されている地域に根ざした一つの社会が形成されている、と思った。